やけ酒飲み

わたしは、二十になった頃から、やけ酒飲みだった。

成人式

朝から振袖、袴の人たちがたくさんいた。そうか、今日は成人式か。ああー、成人式か。


成人式の思い出は希薄である。式はだいたい地元の会場で行われるので、会う人たちは中学卒業時の友達がほとんど。自分は中学校に行っていなかったので、気まずいったらありゃしないのである。ということで地元の成人式には出席していない。

当時一般(社会人)の吹奏楽団に所属しており、某区の成人式で演奏をすることになっていた。地元の式には出たくないが、一生に一度の成人式くらい経験しておきたいと思い、奏者としてそっちの式典に出ることにしたのである。

綺麗に着飾った同年代の人たちは楽しそうで、羨ましいなーと心の底から思った。でも小さい頃に思い描いてた20歳像には、どの人も当てはまらなかった。


子どもの頃は20歳がとても大人びて見えたし、憧れもあった。ただ実際になってみると、全然大人なんかじゃない。大人になりきれていないまま「大人」と呼ばれること対する不安感だけがとてつもなく大きかった。


大人かどうかは、年齢だけで決まるものじゃない。ひとりひとり、大人になる時期は違うんだと思う。

浅田真央ちゃんなんかは、16歳くらいでもう大人の仲間入りをしている。氷上の真央ちゃんを観て「子どもがまわってる」なんて誰も言わないだろう。

反対に、25歳の自分が大人かと問われれば、苦笑いするしかない。何もできてやしない。

大人って、そういうものだと思う。


成人式を終えて晴れて「大人」と呼ばれるようになったみなさん。

こんなことを言っていいのかはわからないけれど、まだまだ子どもを名乗っていいんじゃないかなと思います。

大人っていつの間にかなっているもので、突然「ハイ大人」ってなるものじゃないと思っているから。そして、ひとりひとり大人になる時期は違うから。

大人と呼ばれるプレッシャーに潰されそうになるくらいなら、子どもだよって開き直った方が絶対いい。

昨日と変わらずゆるゆると生きていればいいんじゃないかなって思います。


成人式お疲れ様でした。成人おめでとうございます。